教皇メッセージ

バチカンニュース:「国連生態系回復の10年」開始に教皇メッセージで検索
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教皇メッセージ

教皇フランシスコは、「国連生態系回復の10年」の開始に、メッセージをおくられた。
 2021年から2030年まで、「国連生態系回復の10年」が記念される。
 これは、気候上の危機と闘い、食料保障、水の供給、生物多様性保全の諸問題を改善するための対策として、荒らされた、もしくは破壊された生態系の回復をより有効な方法で促進することを目標とするもの。
 「国連生態系回復の10年」の開始に当たり、教皇は、この取り組みの先頭に立つ国連環境計画と国連食糧農業機関に宛てメッセージをおくられた。
 このメッセージは、6月4日、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿によって、ビデオを通し、開始セレモニーで読み上げられた。
 教皇は、6月5日記念される「世界環境デー」は、同日より開始される「国連生態系回復の10年」によって、特別に意味あるものになった、と述べ、全世界で生態系の破壊をくい止め、生態系回復への関心を高めることが、人類の「共通の家」へのいたわりとなることを期待された。
 環境をめぐる今日の状況は、被造物を責任もって守り、長い間破壊し搾取した自然を取り戻すことを急務として呼びかけている、と教皇は記し、さもなければ、わたしたちは自分たちが依存する基礎そのものを破壊し、水害や飢餓を招き、現在はもとより未来の世代に深刻な影響を与えることになる、と警告された。
 こうした中、教皇は、長いビジョンを通して、自然への配慮と、貧しい人々に対する正義、社会における取り組み、内的な平和といったものの不可分性を明らかにし、あらゆるレベルでのエコロジー的な調和を回復する、「統合的エコロジー」の推進の必要を強調された。
 多くの差し迫った問題の中で、特に新型コロナウイルスによるパンデミックと、地球温暖化を挙げた教皇は、来る11月にグラスゴーで開催予定の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が、環境対策と意識向上を通して、生態系回復に貢献することを希望された。
 また、教皇は、生態系の荒廃は、経済の機能不全の明白な結果である、とも述べ、「経済の意味とその目的についての新たな深い考察」の必要を説かれた。
 破壊された自然を取り戻すとは、第一に、われわれ自身を取り戻すこと、と教皇は述べ、わたしたちが「回復の世代」として正しい役割を果たすことができるようにと願われた。